今日も長野で議員研修会。
午前中は分科会。
田川英信さんと大阪子どもの貧困アクショングループ NPO法人CPAOの徳丸ゆき子さんの『子どもの貧困と自治体のとりくみ』に参加させていただきました。
地域で人が孤立化している現状。
都会の真ん中で母子が孤育て、15〜24歳の自殺率ワースト1
将来に希望が持てない絶望社会。
暴力の連鎖、負の連鎖。
それでも地域でできることがあるはずだと、ときには、砂漠に水一滴の活動なのではないか?子ども食堂は応急手当てだと理解しつつ『まずはごはん』地域でサポートする仕組みづくりをされている徳丸さんの使命に感銘を受けました。
誰もが教育にたどり着けるためにも、生活支援を含め福祉的視点、そして子ども感、貧困感が問われていると感じました。
子どもには責任がなく、また親だけの責任でもなく、子どもは社会で育てる仕組み、小さくてもいいからモデルを作り、制度化することの必要性を学びました。
子ども食堂は応急手当て、行政には根本的解決を、特に富の適正な再分配を求めるという言葉が耳に残りました。
午後からは『誰もが受益者という財政戦略〜『頼り合える社会』をめざして〜』と題して慶應義塾大学 井手英策教授の講演でした。
多くの人が求め、頼りにしている経済成長は大きく改善するのだろうか?
日本の現役世代は子育て、教育、老後、病気、住宅などなどで諸外国に比べ自己責任の要素が多く、それがために貯蓄がないと生きていけないという不安を感じる社会構造。
景気低迷などによるリストラ、低賃金化、非正規雇用比率の増大。
貯蓄がないと生きていけない、自己責任が果たせないと命を立つ男性労働者の多い現実。
成長に頼る社会の行き詰まる中、格差是正という言葉を耳にするようになりました。
しかし生活が苦しくなる中で、他者の既得権が不愉快に思う分断社会。
『再分配の罠』ある特定の層に手厚く分配すると、パッシングが増え、租税抵抗が増し税収が減るというデータがあります。
多くの人が生活不安を抱えている中、お金で人を区別しないという哲学が必要と井手教授は説きます。
すなわちほぼ同じ課税率、ほぼ定額のサービス現物給付。
『貯金と税は同じコインの裏表』
税は『負担』でなく『みんなの蓄え』と考える。
みんなの蓄えは多い方がいいので、増税で暮らしの安心を買うという考え。
しかし増税と聞くと抵抗感があります。
それは今まで増税のたびに得した実感がないからで、問題は税を取られることではなく、取られた税が何に使われるのか?
税が悪いのではなく、税の使い道が悪い。
それには使い道をチェックする意識が必要だといいます。
現にヨーロッパの多くの国では日本より税金が高いが格差は少なく、おしなべて投票率は高い。
朝は徳丸さんから『誰もが自由にSOSを出せる共生型社会』
昼は井手教授から『頼り合える社会』
について貴重な話を伺うことができました。
2日間、幸福とは何か?考えさせられました。
一億総活躍社会より、一億総幸福社会をめざしたほうがいいのではないでしょうか。
関連